こんにちは。わいんとくすりです。
今回はイタリアで赤ワインの銘醸地の一つ、トスカーナ州のヴィンテージ情報をまとめてみようと思います。
トスカーナ州の2016年は天候に恵まれ、理想的な気候条件が整ったグレートヴィンテージです。2016年ヴィンテージのワインは評価サイトで軒並み高評価とされており、ワイン愛好家としては気になるところです。
ここでは、トスカーナ州を「キャンティ・クラシコ」、「ボルゲリ」、「ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ」「ボルゲリ」の3つの銘醸エリアに分けてみていきたいと思います。
評価の指標として、有名な評価サイトWINE ADVOCATES(以下、WA)とWINE SPECTATOR(以下、WS)の点数を引用させていただきました。
お断りにはなりますが、ワインは味わう場面や保存状態などによっも大きく印象は異なります。加えて、評価は個人で行うものですので、その点はあらかじめご了承ください。
キャンティ・クラシコ2016|WA:97T WS:97
キャンティ・クラシコの2016年はブドウ栽培に大きな問題を与える天候不良はありませんでした。
日照も安定しており、ピークとなるような酷暑がなく、安定した暑さのおかげで生理障害もなく、バランスよくブドウの成熟が進みました。
夏の気候条件は全体的に素晴らしく、7、8月の降雨量の少なさと高温が特徴でしたが、とりわけ日中と夜間の気温差が顕著だったため、香り高く優れた酸味がブドウに蓄えられました。
唯一あげる問題点とすれば着色期である7月末の降雨量の少なさが頭を悩ませましたが、8月末~9月初めの雨によって過度の水不足は回避することができました。
収穫されたブドウはサンジョヴェーゼを中心に非常に良い出来となっており、補助品種の出来の良さも相まって果実味が豊かで、バランスの取れた味わいとなっています。
若いうちから楽しめるワインも多いですが、レゼルヴァやグラン・セレツィオーネは長期成熟能力も高く、数年~数十年の熟成させることで、複雑さが増すことが期待できます。
2016年のキャンティ・クラシコを一言でいうなれば、「サンジョヴェーゼの特徴が他のヴィンテージより際立っているワイン」です。ブドウの質の高さがワインにも表現されており、充実感のある外観に凝縮した果実味、サンジョヴェーゼのもつアロマ、長い余韻が楽しめるワインです。
ボルゲリ2016|WA:96T WS:96
ボルゲリの2016年は比較的温暖で安定した気候が続いた、理想的な年とされています。
暖かい冬で、2月末には雨も降ったため、成長に必要な十分の水が大地に蓄えられました。
ブドウ成長期の気候条件に突出した異変はなく、適度な降雨もあり、ブドウの成熟は安定して進むことができました。
夏の暑さは厳しいものでしたが、過度な酷暑はなく、ブドウの生理障害もありませんでした。昼夜の寒暖差もあったため、素晴らしい香り、酸味がブドウに備わっています。
収穫時にもこの気候は続き、理想的な条件が揃ったヴィンテージになります。
収穫されたブドウはよく成熟しており、糖度と酸のバランスが良く、豊かな果実味が感じられます。特にカベルネ・フランの出来が良かったようです。
完成したワインには素晴らしい充実感があり、濃いめの外観に豊かな果実味、しっかりとしたタンニンと酸味がうまく調和しています。黒系果実やスパイスが印象的で、複雑さと深みを持った味わいが特徴です。
2016年のワインは典型的なボルゲリと称されるヴィンテージになっており、ボルゲリを知る上で、まずは飲んでおきたいヴィンテージの一つになっていると思います。
ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ2016|WA:98T WS:99
ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ2016はベストヴィンテージと呼ぶにふさわしい出来栄えだったと言えます。WA、WSともに2010年に並ぶ高評価となっています。
春先までの定期的な降雨は大地を潤し、成長における十分量の水を蓄えることができました。
夏場の気温は安定しており、過度な猛暑はありませんでした。7月中旬に降った雨は、7月から8月にかけての猛暑に対応するだけの水分をもたらし、うまくバランスをとってくれました。
収穫までの気候が安定していたことで、長い成熟期間を設けることができ、豊かな香りとタンニンの形成を行う事ができました。
サンジョヴェーゼは完璧に成熟し、糖度と酸味のバランスがとてもよく、ワインにも深い色合いを与えています。
ワインは鮮烈な赤系果実の香りと、驚くような複雑さを秘めた仕上がり。味わいはフルボディで、しっかりとしたタンニンと長い余韻が特徴です。
しっかりとした果実味がありながらも、高めの酸としっかりとしたタンニンが備わっていることから、数十年の熟成にも耐えうる長命なワインである要素が整っています。
2016年のブルネッロ・ディ・モンタルチーノは偉大なヴィンテージとなっていることは間違いありません。評価サイトでもほぼ満点とされており、今後も注目されるヴィンテージになるでしょう。
まとめ
いかがでしたか?2016年のトスカーナ州におけるヴィンテージチャートをお届けしました。
今回のポイントとしては
トスカーナの2016年ヴィンテージはワイン愛好家としては一度は飲んでおきたいグレートヴィンテージの1つです。赤ワインの銘醸地で、冬にかけて恋しくなるかたも多いのではないでしょうか?ブルネッロ・ディ・モンタルチーノにおいては傑出した年ということもあり、お祝い事や記念日、ご進物にも重宝するかと思います。
今後のワイン選びの参考になれましたら幸いです。
ここまでご一読いただきありがとうございました。また次回の記事でお目にかかりましょう。
飲兵衛薬剤師
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