Maridà Barbera d’Asti DOCG 2020|CANTINE POVERO|テイスティングレポート

テイスティングノート

みなさんこんにちは。わいんとくすりです。

今回はイタリアワインのMaridà Barbera d’Asti DOCG 2020のテイスティングレポートです。ワインを実際にいただいての感想を忖度なしで記載していきたいと思います。

Barbera d’Asti DOCG 2020はイタリアワインの銘醸地、ピエモンテ州モンフェラート地方で造られる赤ワインになります。ピエモンテ州のワインはバローロ、バルバレスコが世界的に知られるなかで、こちらは地元から愛される品種「バルベーラ」から造られます。

バルベーラの一般的な味わいは、豊かな果実味と高い酸度が特徴で、食事との相性がよく、食中酒としては最高のワインと言われています。今回はCANTINE POVERO(カンティーネ・ポヴェロ)のバルベーラ・ダスティ2020年をテイスティングしていきたいと思います。

ワインは生産者や栽培環境、醸造過程といった背景も知ることで、より興味深く味わうことができます。この点にも目を向けてみていきましょう。

このレポートは2024年11月現在でのレポートです。ワインは飲むタイミングや保存状態によってその品質は大きく左右されます。また、官能表現になりますので、当然個人差もありますので、その点はあらかじめご了承ください。

カンティーネ・ポヴェロ

カンティーネ・ポヴェロはピエモンテ州のロエロ、モンフェッラート、ランゲを中心にワイン造りをおこなう生産者です。

1964年がファーストヴィンテージになりますが、ワイナリーの起源は1837年に先祖がロエロに初めてブドウ畑を購入したところまで遡ります。

現在は50haのブドウ畑を所有しており、11種類のブドウ樹が植えられています(バルベーラ、アルネイス、ネッビオーロ、ファヴォリータ、ボナルダ、ドルチェット、モスカート、コルテーゼ、シャルドネ、クロアティーナ、マルヴァジア)。

環境への意識が高い生産者で、2019年には所有するすべての畑がオーガニック認証を取得しました。サスティナブルにも配慮されており、さまざまな取り組みを行っています。

栽培時の化学薬品の不使用はもちろんのこと、健康な土壌を維持する再生型農場の実践やワイナリーのエネルギー需要を賄うためのソーラーパネルも設置されています。

水資源に関してもこだわっており、古井戸を利用した地下水の利用や再利用するためのバイオマス廃水処理プラントの設置、使用量削減のため交互二重ライン精密ろ過システムの導入を行っています。

テロワールを最大限に尊重し、自然環境とのバランスに重きをおいたワイン造りを実践しており、VEGANやSUSTAINABLEの認証も取得しています。

本拠地のランゲやバルベーラ、ロエロはもちろんのこと、バローロにバルバレスコ、グラッパなどの生産も行っています。

基本情報 ~栽培・醸造~

バルベーラが育つアスティはモンフェッラート地方に属し、塔や城に囲まれ、小さく美しい谷が緩やかに続く、うねりのある丘陵の魅力的な風景の土地です。

バルベーラの栽培される土壌は黄色の砂岩と緻密な粘土の土壌で、バルベーラの栽培には最適な環境とされています。ブドウ樹の剪定方法はギヨ仕立てです。

収穫されたブドウは破砕された後、26度に温度コントロールされたステンレスタンクで8~10日間、発酵を行います。

樽での熟成期間は10カ月間(大樽50%、小樽50%)自社セラーにて行われています。小樽の使用比率が50%と多めなことから、バルベーラに少ないタンニンを樽から補っていることがわかります

Maridà Barbera d’Asti DOCG 2020
  • 生産者  :カンティーナ・ポヴェロ
  • 原産地  :イタリア ピエモンテ モンフェッラート
  • 品種   :バルベーラ100%
  • 呼称   :DOCG
  • 生産年  :2020年
  • アルコール:13.5%

Barbera d’Asti 2020|ヴィンテージ情報

ピエモンテの2020年はヨーロッパの多くの地域と同様に例年より暑い生育期となったことから、例年よりも収穫のタイミングが早まったようです。

バルベーラはネッビオーロに比べると早熟な品種であり、暑さが強すぎると過熟になってしまう恐れがある品種です。過熟してしまうと特徴である酸が減少してしまい、平坦で味気ないワインになってしまいます。

では、実際のところどうなのでしょうか?

Barbera d’Asti 2020を実際に評価したサイトは見当たりませんでしたが、Wine Searcherのヴィンテージチャートを見てみると、2020年のバルベーラのブドウは健全な状態で収穫されたと記載されています。

その理由として、収穫時期を早めたことが挙げられますが、ほかにもバルベーラが農園内の涼しいエリアに植えられていたことも考えられます。

農園内で暖かい場所は熟成の遅いネッビオーロが基本的に植えられています。そのため、バルベーラはより涼しい場所に植えられることが多くなります。このことが過熟を避ける上で、よい働きをしたのかもしれません。

実際にテイスティングをしてみて

外観

透き通ったルビー~淡いガーネットの色合い。縁には若干の熟成した褐色がかった色合いが見てとれます。粘性は比較的じっとりとしており、果実の充実感が伺えます。

香り

しっかりとした樽の印象が感じられます。果実の印象はやや穏やかで、中心に熟れたラズベリーやいちご。少し梅のような風味も加わります。温度が上がってくると甘やかな甘草のニュアンスが出てきます。

味わい

口の中いっぱいに広がる豊かな果実味、その中にきりっとした酸が印象的。小樽をつかっているからか、タンニンもしっかりとしており、とてもバランスよくまとまっている印象を受けます。

アルコールのボリューム感、果実の印象から少し甘さも感じられますが、酸とタンニンがしっかりと引き締めており、決してダレることはありません。エチケットにある女性を思わず連想してしまう。そんな素敵なワインに仕上がっています。

エチケットと味わいがリンクしていると、なんだかうれしくなります。私だけ?笑

温度帯は16〜20度が良いと思います。冷えていると香りが閉じてしまい、酸っぱくて渋いワインになってしまいます。果実味もあまり感じられません。

飲み頃

日常楽しむという意味では、熟成を考える必要はあまりないかと思います。酸とタンニンはしっかりとしているので、5年程度であれば美味しくいただけると思います。

まとめ

今回はCANTINA POVERO Maridà Barbera d’Asti DOCG 2020のテイスティングレポートを記載いたしました。

バルベーラらしい親しみやすく、幅広い食事に対応ができるワインだというのが第一印象です。ミートソースのパスタなんかは抜群に相性がよいと思います。

バルベーラは知っていなければなかなか手を伸ばしにくい品種であることは間違いありません。その反面、汎用性がかなり高いので、おいしいバルベーラを知っておくとワインライフにおいて重宝する存在になると思います。

そう考えると、バルベーラが地元で愛される品種なのかがなんとなくわかりますね。

あなた好みのバルベーラ、1本探してみるのはいかがでしょうか?

今回いただいたCANTINA POVEROのワインは市場で見かけることは少ないかもしれませんが、見かけた際には是非飲んでみてください。

ここまでご一読いただきありがとうございました。また次回の記事でお目にかかりましょう。

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