ワインの基礎知識 スパークリングワインのつくり方

ワイン 基礎

みなさんこんにちは。わいんとくすりです。梅雨があけ、いよいよ夏本番です。そんな時はキンキンに冷えたスパークリングワインでスカッとしたくなりますね。

ということで、今回はスパークリングワインのお話をしていこうと思います。前回に引き続き、ワインの勉強を始めるにあたって知っておいた方が良いかな?という内容を取り上げております。

今回は暑い夏にピッタリ。スパークリングワインのつくり方をお伝えできればと思います。この記事を読んでいただければ、スパークリングワインのつくり方に加え、普段のスパークリングワイン選びの手助けにも繋がります。

そんな記事を書く私ですが、2023年にオンラインのワインスクール、ワインブックスで学習をさせていただき、無事1度でワインエキスパートの資格を取得することができました。そこで得た知識をもとにみなさんへできる限りわかりやすくお伝えできればと思います。

それでは早速いってみましょう。

ワインの基礎知識 スパークリングワインのつくり方

スパークリングワインとは?

スパークリングワインとはなんなのか?みなさん考えたことはありますか?例えばシャンパンとの違いについて説明できるでしょうか?。

端的に言いますと、スパークリングワインとは、ワインの液中に炭酸ガス(二酸化炭素)を含み、そのガス圧が一般に3気圧以上のもののことを指します。一方で、日本で有名なシャンパンは、フランスのシャンパーニュ地方でつくられ、厳しい基準を満たしたものを指します。

つまり、スパークリングワインという大きな括りの中にシャンパンなどの銘柄が含まれているということです。その他の世界的に有名なものとしては、スペインのカヴァやイタリアのスプマンテなどが挙げられます。

これらスパークリングワインの大きな違いはつくり方にあると思っています。そこでスパークリングワインのつくり方についてみていきましょう。

スパークリングワインのつくり方

スパークリングワインのつくり方はメジャーなものは「瓶内二次発酵方式」「シャルマ方式」「田舎方式」の3通りになります。それぞれをみていきましょう。

瓶内二次発酵方式

シャンパン方式とも言われるほど有名なつくり方です。スパークリングワインの元祖となるつくり方です。一部機械化が導入されているとはいえ、手間暇がかかるため、コストも高めになります。

それでは、手順をみていきましょう。

最初の段階である収穫・除梗・圧搾・発酵、ここまでは前回の記事にあった白ワインのつくり方と同様です。

違うのはここからです。アルコール発酵が終了したワインは品質の安定化の観点から、過去の取り置きワインと調合されます。

この調合のことをフランス語ではAssemblage(アッサンブラージュ)といいます。

その後瓶詰めをされるのですが、ここから泡を溶け込ませるさせるための工程になります。泡、すなわち二酸化酸素をどこから持ってくるのか…ということですが、ブドウ糖がアルコール発酵をする際に生じる二酸化炭素を利用します。

瓶内二次発酵方式というくらいですので、瓶の中で再発酵を行います。再発酵には酵母と糖分が必要になりますので、必要分を添加して、「栓をした」瓶内での二次発酵を行います。

栓をすることによって再発酵により生じた二酸化炭素により瓶内の圧力が高まり、二酸化炭素は液中に溶け込んでいきます。このようにしてスパークリングワインの泡は誕生するのです。この方式で作られたワインはキメの細かい泡立ちのスパークリングワインができる傾向にあります。

瓶内には二酸化炭素以外にも発酵により生じたオリも存在します。瓶内熟成期間中はこのオリと常に接触するため、旨み成分であるアミノ酸がワインに加わり、コク・深みが加わります。

製品となる際、オリは不純物となりますので、上の写真のようなピュピトルといわれる穴の空いた木の板にボトルをさし、毎日ボトルを少しずつ回転、傾斜をつけていくことで瓶口にオリを集めていきます。

これが動瓶、フランス語ではRemuage(ルミアージュ)と呼ばれる作業になります。大規模生産者ではジロパレットとよばれる機械も導入されています。

瓶口に集まったオリは液体窒素によって凍結されます。この時に抜栓をすると瓶内のガス圧によりオリの塊が噴出するため、オリを取り除くことができます。目減り分は糖分調整も兼ねたワインを添加します。

この補充のことをDosage(ドサージュ)とよびます。

補充後はコルクを打たれ、出荷となるのが、瓶内二次発酵で作られるワインの大まかな流れです。

どうですか?複雑な工程が何度もあり、手間暇がかかっているとは思いませんか?現代では機械化できている工程もありますが、小規模な生産者は今でも手作業で行なっているところも少なくありません。瓶内二次発酵のワインが割高になる理由も少しお分かりいただけたのではないでしょうか?

シャルマ方式

シャルマ方式は別名、密閉タンク方式とも呼ばれる製法になります。

瓶内二次発酵方式と同様にして作られるのですが、その違いは二次発酵の場所が瓶内ではなく、大きな密閉タンクで行うという点です。瓶内二次発酵方式よりも泡のキメは大きく、酵母の印象が少なめなのが特徴です。

世界中で流行している、イタリア、ヴェネト州のプロセッコというスパークリングワインがシャルマ方式の代表的な銘柄になります。瓶内二次発酵方式に比べると泡は大きめになります。

機械化を導入したブドウ栽培を行い、まとめてワインを仕込めることがメリットですね。瓶内二次発酵方式よりも価格は抑えめです。気軽に楽しめるワインに多いつくり方です。

田舎方式

田舎方式といえば昔からありそうなつくり方ですが、瓶内二次発酵方式を応用したつくり方です。追加の酵母や糖分を添加しない分、自然なつくり方ともいわれています。

そのつくり方はアルコール発酵の途中のワインを瓶詰めし、残りの発酵を瓶内で行う手法です。移し替えられたワインは続きの発酵を密閉された瓶内で行うことで、二酸化炭素が液中に溶け込んでいきます。

最近よくみかけるようになったPét-Nat(ペットナット)と呼ばれるスパークリングワインがこちらのつくり方です。発酵途中のワインを瓶に移しかえるため、ガス圧が低くなりそうですが、実際はそうでもありません。吹きこぼしに注意が必要です。

まとめ

いかがでしたか?スパークリングワインのつくり方はイメージできたでしょうか?

まとめてみますと

・シャンパンはスパークリングワインの仲間。他にもいろいろある。

・シャンパンを代表する瓶内二次発酵方式で作られるワインはいくつもの工程があり、手間暇がかかっている。

・スパークリングワインの製法は瓶内二次発酵方式が基本。その他の製法は瓶内二次発酵方式を応用したつくり方。

今回は瓶内二次発酵方式、シャルマ方式、田舎方式をご紹介しましたが、これ以外にもつくり方はあります。是非いろいろなつくり方のスパークリングワインを試してみてください。

瓶内二次発酵方式でつくられたワインですが、品質や味わいなどは本当に千差万別です。つくり方にも着目して楽しんでみると面白い発見があるかもしれませんね。

あなたのこれからのスパークリングワイン選びの参考にしていただければ幸いです。

それでは、また次回の記事でお目にかかりましょう。

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