みなさんこんにちは。わいんとくすりです。
早速ですが、イタリアワインってどのようなイメージがありますか?
フランスワインと比べると親しみやすく、値段もお手頃というポジティブな感覚の方もおられるでしょうし、少し勉強された方であれば次々と出てくるブドウ品種によって苦手と思われる方もおられると思います。
イタリアワインは何にでも合わせやすいおおらかさで、みなさんの色々な気持ちを受け入れてくれる懐の深さも持ち合わせています。
今回はそんなイタリアワインの魅力について迫っていければと思います。
そんな記事を書く私ですが、2022年にワイン検定から始まり、2023年はワインエキスパートの資格を取得することができました。そこで得た知識をもとにみなさんへできる限りわかりやすくお伝えしていければと思います。
それでは早速みていきましょう。
イタリアワインの魅力とは?
多様なテロワール
イタリアはヨーロッパの南部、地中海沿いにあり、長靴のような形をした国で有名ですよね。ワイン生産量においてはフランス、スペインに並ぶ世界の三大ワイン生産大国の一角を占めています。
全部で20の州からなり、全ての州でワイン造りが行われています。つまり、全ての州でブドウ栽培ができる環境にあるということになります。
では、その環境とはどのようなものなのか?気候、地形、土壌に分けてざっくりとみていきましょう。
気候
イタリアは北緯35°〜47°に位置している縦長の国になります。日本の函館が北緯41.5°程度なので、北部は北海道と同じかそれよりも北に位置することがわかります。
にもかかわらず温暖な理由は、暖流である北大西洋海流が大きな影響を与えています。加えて、アルプス山脈が北からの冷たい風を防ぎ、南からはアフリカからの熱い風が気候をより温暖にしています。
北部の方が冷涼であり、南部の方が温暖であることは日本と同じです。
主な気候は地中海性気候で、雨は春と秋に集中して降り、ブドウの生育期には雨がほとんど降らないため、ブドウ栽培には理想的な気候といえます。
地形
北側はアルプス山脈が東西に伸びており、フランス、スイス、オーストリアとの国境になっています。その南にプレアルプス、丘陵地帯が続き、さらに南にはポー平野が広がります。
ポー平野が終わるあたりから地中海にイタリア半島が突き出ています。
イタリア半島の中心にはアペニン山脈が背骨のように縦断し、多くの山岳や丘陵地帯を形成します。そのため、イタリアは国土の75%を山と丘陵が占めています。
半島部分は東のアドリア海、西のティレニア海に挟まれており、海から平野、丘陵地帯、山岳地帯が短い距離に存在するという地形的特徴を有しています。
一般に山間部にある標高が高い場所や沿岸部はブドウ栽培の優良地とされています。これだけ山や丘陵が多く、長い海岸線を持つ国はなかなかありません。
土壌
砂や粘土などの構成割合は異なりますが、石灰質土壌が基本です。サルデーニャ島は古い土壌が残っており、花崗岩土壌が主体です。
火山の多いイタリアは、火山性土壌が多いことも特徴的です。他にも、観光でも有名な北イタリアのイゼオ湖周辺は氷堆積土壌と珍しい土壌も存在しています。
このような恵まれた環境をみて古代ギリシャ人はこの地を「エノトリア・テルス(ワインの大地)」と讃えたことはよく知られていますよね。
豊富な土着品種
イタリアワインの大きな魅力の一つに土着品種の多さが挙げられます。シャルドネなど世界中で栽培されている品種を国際品種、対して、その土地に根付く品種のことを土着品種と呼びます。
イタリアの土着品種は400以上が公認されており、バラエティに富んでいます。
イタリアは国として一つにまとまったのは1861年と遅く、それまでは多くの国々によって支配されていた歴史があります。その土地に住まう人々は自分たちの土地のブドウを大切にし、自分たちの文化を守ってきたのがわかります。
ここではその中でも代表的な品種を白3、赤3の合計6品種みていきたいと思います。
代表的な白ブドウ品種
Glera:グレーラ
以前はプロセッコとも呼ばれていたブドウ品種です。イタリアを代表するスパークリングワイン、プロセッコの原料となるブドウ品種で、栽培面積も白ブドウでは1位になります。ワイン名と品種名が同じだったため、混乱を避ける目的でブドウ品種名が変更されたようです。
Verdicchio:ヴェルディッキオ
イタリア中部にあるマルケ州を代表するブドウ品種です。デイリーワインから長期熟成が可能なフルボディタイプまで多様なスタイルのワインが造られます。
Fiano:フィアーノ
イタリア半島南部の重要品種です。絶滅しかけていたところをその土地の魅力に惹き込まれた生産者が着目し、再興を遂げました。フラワリーな香りが特徴の優美なワインが造られます。
代表的な黒ブドウ品種
Sangiovese:サンジョヴェーゼ
白・黒ブドウの中で最も栽培面積が広い品種です。中南部を中心に栽培されますが、なんといってもトスカーナ州が名産です。銘柄で言えばキャンティなどが有名でしょう。
大きく分けてサンジョヴェーゼ・グロッソとサンジョヴェーゼ・ピッコロの系統に分かれ、さらに細分化していきます。デイリーなものから高級なものまで幅広いワインがあります。
Nebbiolo:ネッビオーロ
「ワインの王」とも称されるバローロに使用される北イタリア、ピエモンテ州の品種です。薄い色合いとは裏腹に、強い渋みと酸味をもち、世界屈指の長期熟成が可能なワインとなります。
Aglianico:アリアニコ
南部のカンパーニャ州やバジリカータ州で主に生産される品種です。色合いは濃く、強い渋みと酸味を持ち合わせており、長期熟成にも耐えうるワインが造られます。ネッビオーロに似た特性を持つため、「南のネッビオーロ」とも呼ばれます。
まとめ
いかがでしたでしょうか?今回はイタリアワインの魅力についてお話しさせていただきました。まとめてみますと、
・イタリアには「ワインの大地」と讃えられるほどブドウ栽培に恵まれた環境が備わっている。
・地域によって様々な気候、地形、土壌を有しており、バラエティー豊かなスタイルを楽しめる。
・非常に多くの土着品種がある中で、それぞれが個性的な魅力を有する。
繰り返しになってしまいますが、イタリアワインはおおらかで本当に多様性に富んでおり、飲めば飲むほど新しい発見が見つかります。是非お手に取っていただき、そのおおらかさ、多様性を楽しんでみてください。きっと新しい発見があなたにも見つかりますよ。
ここまでご一読いただきありがとうございました。また次回の記事でお目にかかりましょう。
飲兵衛薬剤師
2023年、ワインエキスパート取得
好きだった番組は「料理の鉄人」と「どっちの料理ショー」
坂井シェフが憧れの人
コメント