キャンティ・クラシコの有名生産者5選|すべて異なるUGAで紹介します!

イタリアワイン

こんにちは。わいんとくすりです。

今回はキャンティ・クラシコの生産者をご紹介します。ただ羅列していくだけでは面白くないので、異なる追加地理地区(UGA)という縛りをつけて代表的な生産者を挙げさせていただきました。

どの生産者が出てくるのでしょうか。是非ご一読ください。

UGAについては以前の記事で紹介しております。気になる方はこちらをご確認ください。

それでは見ていきましょう。

この記事はこんな人にオススメ

  • キャンティ・クラシコに興味がある人
  • キャンティ・クラシコの有名な生産者を知りたい人
  • UGAで飲み比べをしてみたい人

この記事でわかること

UGAごとと書いていますが、記事のタイトル通り、紹介する生産者は5つです。UGAすべては網羅出来ておりません。ご了承ください。

キャンティ・クラシコ 有名な生産者5選

ガイオーレ・イン・キャンティ

はじめに登場するのはキャンティ・クラシコの礎を築いたリカゾーリ男爵の拠点としても名高いガイオーレ・イン・キャンティです。

ガイオーレはキャンティ・クラシコエリアの南側に位置しており、キャンティ山脈の麓になります。標高が他の生産地域よりやや低くなっていますが、地形が盆地のため冷気が集まりやすく、キャンティ・クラシコエリアの中でも冷涼な地域になります。

ここは有名な生産者が多いのですが、1つ挙げるとすれば「サン・ジュスト・ア・レンテンナーノ」でしょう。その評価は頭ひとつ抜けていると感じています。

畑の始まりは1100年代と非常に古く、中世シトー派の修道院などがどうのこうのしていた時代です。

リカゾーリ男爵の所有していた畑をマルティーニ・ディ・チガラ家が1914年に受け継ぎ、その子孫が現在も素晴らしいワイン造りを行っています。受賞歴も多く、サンジョヴェーゼ100%で造られる「ペルカルロ」やメルロー100%のスーパータスカン「ラ・リコルマ」は特に有名です。

凝縮感がありながらも親しみやすく、今飲んでも熟成しても楽しめる。そんな万能選手です。

価格は検索してみると5000円いかないくらいです。評価が良いとやはりよいお値段しますね。

ラッダ・イン・キャンティ

https://brancaia.com/en/より引用

ラッダ・イン・キャンティは先ほど紹介したガイオーレのすぐ北側に位置する生産地域で、冷涼なことで有名です。

山脈が近いため、標高500m前後と高く、キャンティ・クラシコ内でも特に冷涼な地域です。ブドウの成熟がゆっくりなため、収穫がUGA内で最も遅いのも特徴の一つです。

この生産地域を代表するのが「ブランカイア」。

ブランカイアはスイス出身のウィドマー家が1981年にカステッリーナ・イン・キャンティに別荘を購入したことが始まりです。1986年にはスイスのワイン雑誌「ヴィヌム」が主催したブラインドテイスティングイベントで優勝します。

その勢いのまま1989年、ラッダ・イン・キャンティにも畑を購入。ラッダはカステッリーナの東側に隣接しているコムーネ(自治体)で、拠点は現在ラッダに移っているようです。

ブランカイアのキャンティ・クラシコはカステッリーナとラッダの畑のサンジョヴェーゼを100%使用しています。醸造に樽は一切使用しておらず、クリーンなブドウの風味が持ち味です。

ブドウが混ざっているじゃないか!と言われるかもしれませんが、UGAごとの有名な生産者…ということでご容赦ください。

価格は3000円後半と少し手が出しやすい価格帯です。

サン・カシャ―ノ

次に紹介するのは北部エリアにあるサン・カシャーノです。栽培面積はが大きく、生産形態が大規模なことが特徴です。

ここを代表する生産者といえば、なんといっても「ヴィラ・アンティノリ」。なんとなく大規模にしてそうですよね。

アンティノリは皆さんも良く知っておられるスーパータスカン「ソライア」や「ティニャネロ」を生み出した老舗中の老舗。そのアンティノリが「トスカーナ最高の畑から厳選したブドウを使用する」というコンセプトで1928年に開いたワイナリーが「ヴィラ・アンティノリ」です。

そのラインナップはキャンティ・クラシコ・レセルヴァとIGP.トスカーナ・ロッソになっており、このトスカーナ・ロッソが事実上キャンティ・クラシコの位置づけだと思っています。

ワインはどちらもサンジョヴェーゼを主に、国際品種をブレンドした安定の味わいになっています。

価格はIGP.トスカーナ・ロッソで3000円弱、レゼルバだと4000円弱で販売されています。

サン・ドンナート・イン・ポッジォ

https://www.castellodimonsanto.it/en/wineryより引用

サン・ドンナート・イン・ポッジォはサン・カシャーノの南側、キャンティクラシコエリア中央西端に位置しています。

その中でもワイン造りが盛んな南部地域に属し、この地を代表する生産者「カステッロ・ディ・モンサント」です。

カステッロ・ディ・モンサントは1961年に現在の当主であるファブリツィオ・ビアンキの父アルド・ビアンキがこの土地を購入したことが始まりです。当時はまだワイン造りは行われていませんでした。

土地を受け継いだファブリッツィオはワインビジネスを行っていた祖母の影響と、セラーにあったワインを試飲した時の衝撃に心を動かされ、醸造家の道を志します。

ファブリッツィオには先見性があり、自社のイル・ポッジオの畑で採れるサンジョヴェーゼが、他の畑のものとは異なることに気づき、他の生産者に先駆けて単一畑のワイン造りを行うようになりました。

彼のワイン造りへの行動力、熱い情熱、優れた先見性からモンサントは世界的から評価されるワイナリーへとなりました。

キャンティ・クラシコはサンジョヴェーゼ90%、カナイオーロ10%のブレンド。若木から造られるこのワインはサン・ドンナートらしい酸とピュアな果実味が良く表現されています。

価格は4000円代前半で見つけることができます。

カステッリーナ・イン・キャンティ

カステッリーナ・イン・キャンティはキャンティ・クラシコ中央西側に位置しており、栽培面積が広く、多様な土壌構成が特徴です。

この地を代表する生産者といえば歴史と伝統を兼ね備えた「フォンテルートリ」が挙げられます。

トスカーナの名門マッツェイ家が1435年にスタートさせたワイナリーで、このマッツェイ家は”キャンティ”という名前のワインを初めて記録として残したことでも有名です。

フォンテルートリは600年にわたる長いワイン造りの歴史があり、先ほど紹介した「カステッロ・ディ・モンサント」とは真逆の存在です。

注)いいとか悪いとかいうことではありません。

畑は海抜220~550m、7つのエリアを120の区画に細分化して管理を行っています。ワイン造りに関しても率先して新たな知見を導入し、常に品質向上に努めています。今もなおトスカーナのリーディングカンパニーとして君臨していることを考えると、たゆまない努力の賜物だと感じます。

キャンティ・クラシコはサンジョヴェーゼを主体にマルヴァジア・ネーラとコロリーノをブレンド。自らの畑を痩せていて岩だらけと語るも、何世紀にも積み重ねたノウハウから造られるワインは、エレガントかつミネラリー、複雑性も併せ持った素晴らしい仕上がりになっています。

これだけの歴史と伝統を併せ持ったワインですが、価格は3000円代前半と今回紹介するワインの中では一番安い価格設定であることも驚きです。

まとめ

いかがでしたか?今回はキャンティ・クラシコを代表する生産者をUGA別にご紹介しました。一部被っている?というヒヤヒヤした場面もありましたが、うまくまとまりました。(自分で言っちゃった。)

ここで紹介した生産者はどこも素晴らしいワイン造りをされており、それぞれに魅力があります。気になった生産者は是非チャレンジしてみてください。

あなたのワイン選びの参考にしてもらえたら嬉しいです。

ここまでご一読いただきありがとうございました。また次回の記事でお会いしましょう。

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