エミリア・ロマーニャ州のワインと料理の特徴|食材の宝庫!ワインの品質はいかに!?

イタリアの生産地

こんにちは。わいんとくすりです。

前回に引き続きイタリアのワイン産地を巡っていきます。今回は北東部に位置するエミリア・ロマーニャ州です。

エミリア・ロマーニャ州はD.O.P./I.G.P.が一番多い州となっており、高級食材も多くあります。パルマ産の生ハムやモデナ産のバルサミコ酢は誰しも耳にしたことがあるでしょう。

ワインは近年まで大量生産型の並質ワインが目立っていましたが、世界中で消費されるランブルスコをはじめ、品質が向上してきており、注目度も上がりつつあります。

そんなエミリア・ロマーニャ州をとりまく料理やワインについてみていきたいと思います。

今回の記事を読んでいただければ、州の郷土料理やワインの特徴について理解が進むと思います。是非ご一読ください。

お断りになりますが、総論の記事ですので、個別のD.O.C.G.やD.O.C.の詳細な記述については避けさていただきます。今後詳しくみていこうと考えていますので、今回はご容赦願います。

エミリア・ロマーニャ州概論

エミリア・ロマーニャ州は北にヴェネト州、ロンバルディア州、西にピエモンテ州リグーリア州、南はトスカーナ州、マルケ州に接しており、東側はアドリア海です。

州都のボローニャを境に、西側に位置するエミリアと東側に位置するロマーニャに分かれており、文化的にも大きく異なります。

古代ローマの総督によって作られたピアチェンツァからリミニまで伸びるエミリア街道では、街道沿いに都市が栄え、パルマやモデナ、ボローニャといった有名な街が並びます。

音楽も盛んなところで、オペラ作曲家のジュゼッペ・ベルディや歌手のルチアーノ・パヴァロッティの出身地でもあります。

産業も有名で、高級スポーツカーで知られるフェッラーリやマセラティの本拠地でもあります。

このような背景からエミリア・ロマーニャ州はイタリアで最も豊かな州の1つとされています。

気候・風土

エミリア街道の北側にパダーノ平野が広がり、その恵みを最大限に享受しています。南側には丘陵地帯、イタリア北部と中部を分けるアペニン山脈が連なります。

平野部、丘陵地帯ともにブドウ栽培が行われており、平野部は沖積土壌、丘陵地帯は石灰質土壌が中心です。

海岸沿いは穏やかな地中海性気候。内陸部は大陸性気候で、平野部になると夏は風が吹かず、昼夜の寒暖差が少なくなっており、非常に暑い日が続きます。冬になると寒さが厳しく、霧が多くなります。丘陵地帯はアペニン山脈の影響で夜の気温が下がり、1日の寒暖差がうまれます。

エミリア・ロマーニャ州の食材・料理

食材の宝庫であるエミリア・ロマーニャ州。生ハムにパスタ、チーズなど目白押しです。早速みていきましょう。

高級食材のパルマ産生ハムを使用した「プロシュート・エ・メローネ」は有名な前菜です。日本でいうところの生ハムメロンですが、実はこの州の地方料理です。

肉を使った郷土料理では、生ハムとチーズをのせてオーブンで焼いた仔牛のカツレツ「コトレッタ・アッラ・ボロニェーゼ」、ザンポーネと呼ばれる豚の前脚に豚のミンチを詰めて茹でたものにレンズ豆の煮込みに添えた縁起料理「ザンポーネ・エ・レンティッキエ」などがあります。

前述のように食肉加工も有名で、詳細は省きますが、「クラテッロ・ディ・ジベッロ」、「コッパ」、「モルタ・デッラ」、「サラーメ・フェリーノ」などバラエティー豊かな銘柄が並びます。

パスタも有名なものが多く、ミートソースをかけた平打ち麺の「タリアテッレ・アッラ・ボロニェージ」や板状のパスタ生地にミートソース、ベシャメルソースを層状にした「ラザーニャ・アル・フォルノ」は日本でもよく見かけます。

チーズでは「パルミジャーノ・レッジャーノ」が特に有名です。イタリアが世界に誇るチーズで、D.O.P.認証されており、法律により厳しく管理、保護されています。

製法は省きますが、牛乳から造られるハードタイプで、パルミジャーノ・レッジャーノを作るのに約600Lもの牛乳が必要となります。最低熟成期間は1年で、平均は2年。厳しい品質検査をクリアしながら熟成され、世に販売されていきます。

調味料として外せないのが「アチェート・バルサミコ・トラディッツィオナーレ・ディ・モデナ」です。最低12年、毎年種類の異なる樽へ順に移し変えながら熟成をさせています。褐色で多少の濃度がり、甘みとまろやかな酸味が特徴。仕上げに用いると料理の格も上がります。

エミリア・ロマーニャ州のワイン

食が豊かであれば、ワインにも期待が膨らんできますよね。

ところが、エミリア・ロマーニャ州のワインは軽快で飲みやすいものが多く、どちらかというと「その時に楽しく飲めるもの」というイメージが強いかもしれません。交通が発達している分、良いワインも他の州から入ってくるので、そこまで力を入れる必要がなかったのかもしれません。

ですが、近年はそのイメージが払拭されつつあり、品質の向上が目立ちます。どのようなワインが造られているのでしょうか?まずは品種からおさえていきましょう。

主なブドウ品種

白ブドウ

Albana(アルバーナ):
エミリア・ロマーニャ州で古くから栽培される土着品種。豊かな果実味とアフターの苦味が特徴。甘口ワインに適しているとされます。

Gianluca Giunchi, CC BY 2.0, via Wikimedia Commons

Pignoletto(ピニョレット):
ボローニャ周辺の土着品種。フラワリーなアロマを持ち、フレッシュで軽めの白ワインが造られます。白ワインだけではなく、スパークリングワインも造られます。

Trebbiano di Romagnolo(トレッビアーノ・ディ・ロマニョーロ):
ロマーニャ地方で栽培されるトレッビアーノ種。軽やかでフレッシュ、シンプルな仕上がりの白ワインが造られています。蒸留してブランデーにされたり、ヴェルモットのベースワインとしても用いられています。

黒ブドウ

Lambrusco(ランブルスコ):
エミリア地方、ロンバルディア州の一部で栽培されています。ランブルスコ・ディ・ソルバーラをはじめ、多くの亜種が存在しています。赤の発泡性ワインの原料として有名な品種です。

主なD.O.P.ワイン

Colli Bolognesi Classico Pignoletto(コッリ・ボロニェージ・クラシッコ・ピニョレット):
エミリア・ロマーニャ州で2つあるD.O.C.G.のうちの一つ。Pignoletto主体で作られる辛口の白ワインのみが認められています。Pignolettoは中部のウンブリア州ではグレケットと呼ばれており、ギリシアに起源があるとされています。

Romagna Albana(ロマーニャ・アルバーナ):
もう一つのD.O.C.G.。エミリア街道南側に位置する丘陵地帯で造られる土着品種Albanaを主体とした辛口、中甘口、甘口の白ワイン。洋梨や桃、アプリコットの豊かな果実味の中にあるほのかな甘味が特徴。

Lambrusco di Sorbara
(ランブルスコ・ディ・ソルバーラ):
エミリア街道北側の平野部で造られる。土壌は沖積土壌で、粘土、砂、小石が混ざる。淡い色調で、ミネラルに富み、フレッシュでエレガントさが印象的。

Lambruco Grasparossa di Castelvetro
(ランブルスコ・グラスパロッサ・ディ・カステルヴェートロ):
エミリア街道南側の石灰質土壌の丘陵部に広がり、同じLambruscoの中でも色が濃く、フルボディの果実味豊かな仕上がりが特徴。

まとめ

いかがでしたか?今回は州のワインについて記載してみました。
まとめてみますと

  • 豊かなパダーノ平野が広がり、多様な文化・芸術が発達した都市が並ぶ
  • 料理の面で秀でており、多種多様な高級食材や手の込んだ料理が多い
  • ワインの品質は徐々に上向き傾向、近年は品質向上が目覚ましい。

エミリア・ロマーニャ州は食材や料理で秀でたものが目立ちますが、ワインの品質は現在も発展途上の段階になります。ですが、赤の発泡であるLambrucoは1本お気に入りを持っておくと、料理にも合わせやすく重宝します。是非一度試してみてください。

ここまでご一読いただきありがとうございました。また次回の記事でお目にかかりましょう。

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