CHIANTI CLASSICO 2022|RIECINE|テイスティングレポート

テイスティングノート

みなさんこんにちは。わいんとくすりです。

今回はイタリアワインの「RIECINE Chianti Classico 2022」のテイスティングレポートです。ワインを実際にいただいての感想を忖度なしで記載していきたいと思います。

RIECINE(リエチネ)のワインはエレガンスさと繊細さに定評があり、イタリア国内でもトップクラスの生産者と高い評判を得ている注目の生産者です。

そのリエチネのエントリーレンジ、Chianti Classico 2022を味わっていきます。

ワインは生産者や栽培環境、醸造過程といった背景も知ることで、より興味深く味わうことができます。この点にも目を向けてみていきましょう。

このレポートは2024年12月現在でのレポートです。ワインは飲むタイミングや保存状態によってその品質は大きく左右されます。また、官能表現になりますので、当然個人差もありますので、その点はあらかじめご了承ください。

リエチネ

リエチネはキャンティ・クラシコ、ガイオーレ・イン・キャンティを拠点におく生産者です。そのブドウ畑の歴史は、なんと1112年にまで遡り、教会の記録に記されているそうです。

リエチネは1971年にイギリス出身のジョン・ダンクレー氏と妻のパルミナ・アバニャーノ氏が1.5haのブドウ畑を購入し、ワイン造りを始めたことが端緒となりました。

それから2年後の1973年がキャンティ・クラシコのファースト・ヴィンテージです。

1991年からショーン・オキャラハン氏が醸造担当者となり、ビオディナミの導入と区画毎の醸造が行われるようになります。これによりリエチネのワインはエレガンスさと繊細さに磨きがかかっていきます。

創設者の亡くなった後、リエチネの所有権はニューヨークのバウマン家へと移ります。これが1998年です。バウマン家はリエチネの可能性に気づき、ショーン氏と共に2011年まで歩みを共にします。その結果、生産量の増加と販路の拡大に成功し、高い名声を誇るまで成長を遂げました。

2011年にオーナーはラナ・フランク氏が引き継ぎます。ラナ氏はリエチネをさらに飛躍させるにはトップレベルの醸造設備の導入が必要と考え、セラーの全面改修を行いました。

ワイン醸造のスペースは400㎡から1100㎡にまで拡大し、フランス製(ノンブロ社)のコンクリートタンクを12基配置しています。このタンクによって現在のリエチネのほとんどのワインが造られています。

2015年には醸造家兼ディレクターとしてがアレッサンドロ・カンパテッリ氏が加わり、更なる進化に向かって突き進んでいます。

基本情報 ~栽培・醸造~

ガイオーレ・イン・キャンティの畑は標高450〜500mに位置し、石灰岩と粘土の入り混じる土壌構成です。ブドウ畑はICEA認証の有機栽培が行われており、ブドウ樹の樹齢は25〜35年、今が働き盛りのブドウ樹たちです。

ブドウの収穫時期は9〜10月で、選果をしっかりと行うため、完全手作業です。収穫後もさらに選果台にて選別が行われます。

ブドウは慎重に除梗・圧搾された後、コンクリートタンクにて15日間自然発酵、さらに5日間マセラシオンが行われます。

果実の特徴を表現するために古樽やコンクリートタンクで11ヶ月間熟成され、ブレンド後にボトリングされます。その後瓶内熟成を3ヶ月間経て出荷となります。

下記が基本情報です。

RIECINE Chianti Classico 2022
  • 生産者  :リエチネ
  • 原産地  :イタリア トスカーナ ガイオーレ・イン・キャンティ
  • 品種   :サンジョベーゼ100%
  • 呼称   :DOCG
  • 生産年  :2022年
  • アルコール:14.0%

Chianti Classico 2022 ヴィンテージ情報

Chianti Classico 2022のヴィンテージ情報をみてみましょう。

2022年のイタリアは5月~6月初旬にかけて降った大雨の影響で、多くの地域でベト病が発生しました。Chianti Classicoのエリアも例外ではありませんでしたが、ブドウ畑の標高が高く、風通しもよいことから、大きな被害には至りませんでした。

このベト病による被害は生産量に影響を残したものの、ワインの品質には影響していません!

この大雨の影響で暑い7月8月でも水不足によるストレスは回避され、8月下旬から9月上旬は昼夜の寒暖差もあったため、ブドウは最適に熟すことができました。

一般に仕上がったワインは香り高く、ストラクチャーもしっかりとしており、タンニンの質はフレッシュだが、緻密で柔らかさを感じるとされています。

ヴィンテージチャートでの評価はWINE ADVOCATESで92点と高得点を獲得しています。

実際にテイスティングをしてみて

外観

紫がかった濃いめのルビー。縁の色味は明確な明るさがあり、若々しさを感じます。粘性はしっかりとしており、涙がゆっくりと流れ落ちます。

香り

香りは赤いプラムやラスベリーに軽くローストしたオークの香り。スパイスの印象は控えめ。外観からは反するが、少し熟成した皮っぽい香りも感じられる。

香りの印象が果実中心ではないので、香りは発達中。

味わい

味わいはしっかりとした酸の後、果実感が広がります。赤ワインにしては酸がやや強い印象。口中をきゅっと締め付けるタンニンがあり、まだまだ若い。

口に含んだ時のアルコールのボリューム感は酸味のためか、含量よりやや低め。そのためボディはやや重めのミディアムボディくらい。

余韻は心地よい果実味と酸味が続き、やや長めでした。

4日間かけて飲んでみましたが、2〜3日目が一番バランスが良かったと思います。4日目は果実感がピークアウトしており、ややアンバランスになってしまいました。

飲み頃

酸味、タンニンはしっかりとあるのですが、果実の印象がそこまで強くないため、長期の熟成にはあまり向いていないと思います。

今がまさに飲み頃です。熟成により果実の印象が落ちてしまうとせっかくのバランスが崩れてしまいそうです。

まとめ

いかがでしたか?今回はRIETINE CHIANTI CLASSICO 2022のテイスティングレポートをお届けしました。

リエチネのキャンティ・クラシコはクリアな果実の印象に豊かな酸とタンニンのバランスがうまく溶け込んだワインになっています。自然派やナチュールが好きな方には好まれるかもしれません。

ナチュールとか私はこだわりないけどね。

温度は16℃~20℃あたりが楽しめる温度帯かと思います。16度はエレガントな酸味、しっかりとしたタンニンが感じられ、20℃は逆に酸とタンニンが落ち着き、果実の印象が強めです。私は温度高め派。

ここは完全に個人の好みになるところなので、美味しいと思える温度帯で楽しんでくださいね。

購入を悩まれている方の参考になれましたら幸いです。

ここまでご一読いただきありがとうございました。また次回の記事でお目にかかりましょう。

コメント