こんにちは。わいんとくすりです。
今回はDOC Rosso di Montalcino 2020(ロッソ・ディ・モンタルチーノ)をテイスティングしていきます。生産者はモンタルチーノエリアでも著名なCanalicchio di Sopra(カナリッキオ・ディ・ソプラ)です。
DOCGブルネッロ・ディ・モンタルチーノの弟分とされるロッソ・ディ・モンタルチーノ。その実力はいかに!?
気になる方は要チェック!早速みていきましょう。
この記事はこんな人にオススメ
この記事でわかること
ロッソ・ディ・モンタルチーノの特徴
結論からいってしまうと、ロッソ・ディ・モンタルチーノはブルネッロ・ディ・モンタルチーノの片鱗を思わせる力強さを持ったワインでした。
そう思わせる理由はなんなのか?生産者や栽培・醸造、実際のテイスティングについて見ていきましょう。
生産者について

カナリッキオ・ディ・ソプラはトスカーナ州、モンタルチーノエリアを代表する生産者です。
1962年創業、約60年間モンタルチーノのワイン造りの歴史、成長、成功を描き続けており、1967年に設立されたブルネロ・ディ・モンタルチーノ協会の創設者のうちの1人でもあります。
初代開業のプリモ・パチェンティから2代目のピエール・ルイジ・リパチョーリを経て、2001年より初代の孫にあたる3代目のフランチェスコ、マルコ、シモネッタがワイン造りに携わっています。
そんな彼らのワイン造りの哲学は初代から一貫としてEleganceを探究するということを掲げています。熱い情熱を持ち、自分たちの畑を通して実るサンジョヴェーゼを最高の状態でワインに仕上げる。それが彼らのワイン造りのスタイルであり、理念となっています。
カナリッキオ・ディ・ソプラのラインナップはサンジョヴェーゼにこだわったものとなっています。
- Brunello di Montalcino (Vigna la Casaccia/Viagna Montosoli)
- Brunello di Montalcino Reserva
- Brunello di Montalcino
- Rossi di Montalcino
ワインに入る前に
ブドウ品種
使用されるブドウ品種はお馴染みのサンジョヴェーゼです。このエリアではブルネッロと呼ばれています。
主な産地はイタリア中部。
特徴としてブドウの成熟は遅く、暑い年は濃厚でアルコール度数の高い長期熟成向きのワインが造られますが、涼しい年には酸とタンニンが強調された味わいになってしまいます。
遺伝的な変異の多い品種としても有名で、果粒が小さく、軽やかなワインに仕上がる「サンジョヴェーゼ・ピッコロ」と果粒が大きく、力強いタイプに仕上がる「サンジョヴェーゼ・グロッソ」に大別されます。
モンタルチーノエリアではサンジョヴェーゼ・グロッソです。
原産地呼称:DOC Rosso di Montalcino

原産地呼称の記事についてはこちらをご覧ください。
DOCロッソ・ディ・モンタルチーノの認定は1984年と比較的最近です。
トスカーナ州、シエナ県モンタルチーノエリアの登録されたブドウ畑で栽培、醸造が行われますが、ブルネッロ・ディ・モンタルチーノに登録されている畑はロッソ・ディ・モンタルチーノにも使用が認められています。
キャンティ・クラシコの最低植密度が4400本/haなので、植樹の間隔は少し広めですね。それだけ密植にする必要がない、競い合う必要がないということでしょうか。
使用できる品種はサンジョヴェーゼのみですが、主に若木から取れるブドウが使用されます。高い樹齢のものはブルネッロに用いられます。
醸造規定は特に決まっておらず、収穫翌年の9月1日より市場への出荷が可能となります。ブルネッロ・ディ・モンタルチーノが長い熟成期間を必要としているだけに、すこし意外でした。
DOCロッソ・ディ・モンタルチーノの味わいは以下の通りです。
最低アルコール度数は12.0%、最低総酸度は5g/Lです。
DISCIPLINARE DI PRODUZIONE DELLA DENOMINAZIONE DI ORIGINE CONTROLLATA DEL VINO“ROSSO DI MONTALCINO”より
基本情報~栽培・醸造~

ワインは生産者や栽培環境、醸造過程といった背景も知ることで、より興味深く味わうことができます。この点にも目を向けていきましょう。
栽培
カナリッキオ・ディ・ソプラは2つのエリア(カナリッキオとモントーソリ)に畑を有し、これをさらに細かく区画分けが行われています。
ロッソ・ディ・モンタルチーノに使用されるブドウは主にカナリッキオにある若木のものが使用され、年によっては少量モントーソリのものも混ざるようです。
平均標高は300m。土壌はマグネシウム、鉄、マンガンなどの元素を豊富に含む粘土質です。
醸造
温度管理されたステンレスタンクで発酵を行い、マセラシオンは15〜20日間行われます。
熟成はスラヴォニア産オーク樽(50hLと25hL)またはフランス産オーク樽(750L)で12ヶ月間の熟成が行われています。
下記に基本情報をまとめておきます。
モンタルチーノ 2020 ヴィンテージ情報
モンタルチーノの2020年はブルネッロ・ディ・モンタルチーノの協会で⭐︎5つ中、⭐︎5を獲得している高評価のヴィンテージです。
春先の霜害はありましたが、その後の気候は良好で、ブドウは完全に成熟したブドウを収穫することができています。
気候とは別に、この年は世界的な感染症が流行した1年目だっただけに労働力の確保には悩まされたことが想像されますね。
2020年のヴィンテージチャートは過去に記事にもしていますので、興味があれば覗いてみてください。
実際にテイスティングをしてみて

外観
清澄度は良好で澄んでおり、輝きのある外観。エッジに若干のオレンジが伺えるが、まだまだ若さを感じる。
中心色は明るめのガーネット。
粘性はしっかりとしており、アルコール度数の高さを感じます。

外観からは、若い状態を抜け、これから熟成に向かう過程にあるといった印象。
香り
抜栓したてはやや閉じているものの、しばらく置いておくと徐々に開いてきました。抜栓から約3時間程度です。
ブルーベリーやカシスといった果実、牡丹や丁子、ドライハーブ、スーッと鼻を抜ける杉のような印象。そこにコーヒー豆を思わせる樽のニュアンス。少し時間が経つと花火のような煙感が仄かに香ります。
香りの印象としては、甘やかな果実感はありつつも、スパイスやハーブ、樽と複雑さを感じます。
味わい
アタックはまろやかさを感じる甘み。結構しっかりときます。
次いでしなやかな酸味を感じますが、これはグラスによって調節可能で、グラスが大きくなるにつれて酸度は落ち着いていきます。好みは中ぶりのグラスでした。これがバランスよかったです。
タンニンは力強くも、液中に溶け込んでおり、非常になめらか。アフターにアルコール感を若干感じ、少し喉が熱くなる感覚を覚えます。14.5%と考えると納得。余韻はやや長めです。
味わいの評価としては、甘み、酸味、タンニンのしっかりとした骨格があり、力強さを感じます。
飲み頃
果実味がやや落ちてきており、エントリーレンジであることを考慮すると、そろそろ飲んだほうがいいかもしれません。ワインなので、やっぱり果実を味わいたい!という人からすると、少し物足りないかもしれません。
総評は、複雑性があり、引き締まった印象で、ワインを飲み慣れた方が好みそうな味わいでした。
まとめ
いかがでしたか?今回はカナリッキオ・ディ・ソプラの造るDOC ロッソ・ディ・モンタルチーノ2020のテイクティングレポートをお届けしました。
色々なサイトを眺めるとロッソ・ディ・モンタルチーノは「生き生きとして、フレッシュさが特徴」と書かれていますが、5年も経過してくるとフレッシュさはやや落ち着いている印象でした。
それでも果実感と酸、タンニンがうまくバランスを取り合っており、ブルネッロの弟分と呼ばれるのにも納得しました。もっと若いヴィンテージであれば、どのように印象が変わるのか試してみたくなる、そんなワインでした。
よろしければ、あなたも一度トライしてみてください。
ここまでご一読いただきありがとうございました。また次回の記事でお目にかかりましょう。

薬剤師/2023ワインエキスパート/イタリアワイン好き/寅年
とあるワインバーでワインのセミナーを聞き、ワインを学習の対象として見るようになりました。さらに体系的な勉強がしたいと思い、2022年にワイン検定ブロンズ、シルバー、2023年にJSAワインエキスパートを取得。このブログでは試験で得られないイタリアワインの面白さをお届けしていきます。
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