こんにちは。わいんとくすりです。
赤ワインの銘醸地、トスカーナ州のヴィンテージ情報をまとめていきます。
トスカーナ州の2015年は気候条件が整った教科書的な育成サイクルをとったヴィンテージです。ワインの出来も素晴らしく、長期熟成に耐えうる品質を誇っています。
ここでは、トスカーナ州を「キャンティ・クラシコ」、「ボルゲリ」、「ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ」の3つの銘醸エリアに分けてみていきたいと思います。
それでは、さっそく2015年のヴィンテージ情報をみていきましょう。
評価の指標は有名な評価サイトWINE ADVOCATES(以下、WA)とWINE SPECTATOR(以下、WS)の点数を引用させていただきました。
キャンティ・クラシコ2015|WA:95R WS:97
キャンティ・クラシコの2015年は良好な気象条件が揃っており、サンジョヴェーゼの特徴を高いレベルで表現したワインとなっています。キャンティ・クラシコ協会も絶賛しています。
2015年は、寒く厳しい冬から一転、温暖で乾燥した春が訪れ、順調に萌芽が観察されます。春の降雨量は例年よりやや多く、暑い夏に備えて十分な蓄えをすることができました。
果実の育成は順調に進みますが、7月から8月にかけての暑さと降雨量の少なさから水分の管理には注意が必要だったようです。ガレストロ土壌の地域では、土壌の恩恵により水分ストレスが回避できたと説明している生産者もいます。
9月中旬までは暑く乾燥した日が続きましたが、夜は十分に気温が下がったおかけで、ブドウには豊かなアロマが蓄えられます。天候に恵まれ、完璧な成熟を遂げたブドウから造られるワインは、長期保存可能で、力強く凝縮感があり、その中に優美さを感じるワインに仕上がっています。
2025年現在、果実味はやや落ち着き、渋み、酸味が綺麗に溶け込んだ、まさに飲み頃に差し掛かったところでしょう。これ以上の熟成を重ねると、ものによってはややピークを過ぎてくる可能性もありそうです。
キャンティ好きには是非試していただきたいヴィンテージです。
ボルゲリ2015|WA:95T WS:97
ボルゲリの2015年はキャンティ・クラシコ同様に教科書的な気候、育成サイクルをとり、素晴らしい出来栄えとなったヴィンテージです。
やや雨の多い冬を越え、穏やかな春が訪れます。萌芽は4月初旬に観測、5月末には完璧な状態で開花を迎えます。まさに理想的なタイミング。この間、乾燥した日が続きます。
6、7月は雨が全く降らず、乾燥した日が続いたため、水ストレスが徐々に現れましたが、8月に降った雨のおかげで水ストレスは解消されました。この雨は気温にも影響を与え、涼やかで爽やかな気候が訪れました。
涼やかな気候が収穫期を通して維持されたため、ブドウの収穫は時間をかけて行うことが出来ました。収穫されたブドウは完璧な成熟度をもって醸造できています。
仕上がったワインは完熟して豊満、しっかりとしたストラクチャーもあるので熟成に適したワインであることは間違いありません。現在でも十分楽しめるものになってきていますが、これからの熟成も楽しみなワインです。
スーパータスカンが好きな方にとっては貴重なヴィンテージになりそうです。
ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ2015|WA:97T WS:97
ブルネッロ・ディ・モンタルチーノの2015年はブルネッロ・ディ・モンタルチーノ原産地呼称協会でも⭐︎5つ(満点が⭐︎5)を獲得しているグレート・ヴィンテージです。キャンティ・クラシコ、ボルゲリと同様に適度な雨と、暑すぎない夏、健全に育ったブドウが特徴です。
冬から春にかけては降雨量がしっかりとあり、土壌に十分な水の蓄えができました。晴天の日も多く、風通しも良かったため萌芽、開花とブドウ樹は順調に育ちます。
夏場の気温は例年通り高めで、ボルゲリ同様7月末までは雨も降らずブドウ樹へのストレスが増していきます。8月になると適度な雨が降ったことでブドウの発育は規則正しく進み、成熟は昼夜の寒暖差のおかげで完璧に進みました。
収穫期もほとんど雨は降らず、9月の温暖な気候のおかげで収穫作業を容易にしてくれただけでなく、収穫のタイミングを完璧に見計らうことにもつながりました。
仕上がったワインは芳醇で長期熟成に耐えうるタンニンと酸が備わっています。果実、タンニン、酸が高いレベルでバランスを保っており、ゆっくりと時間をかけて楽しみたいワインですね。
今飲んでも楽しめるワインではありますが、今後の発展も期待できるワインでもあることから、もう少し熟成してみても良いかもしれません。ブルネッロ・ディ・モンタルチーノをお探しであれば候補にいれたヴィンテージですね。
まとめ
いかがでしたか?今回はトスカーナワイン2015ヴィンテージを記載させていただきました。
まとめてみますと
2015年ヴィンテージはワイン売り場ではなかなか見かける機会の少ないヴィンテージになってきています。ですが、今がまさに飲み頃を迎えているものも多く、出会った際は是非手に取っていただきたいヴィンテージです。
リリースしてからある程度経過しているため、購入の際は保管状況が適切かどうかも重要です。セラー外の商品棚に陳列されているものは劣化の恐れもあるので注意してくださいね。
この記事がワイン選びの参考になれたら幸いです。
ここまでご一読いただきありがとうございました。また次の記事でお目にかかりましょう
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