こんにちは。わいんとくすりです。
赤ワインの銘醸地、トスカーナ州のヴィンテージ情報をまとめていきます。
トスカーナ州の2019年は適度な降雨量に夏場の日照量のバランスがよく、好天が続いた年になっています。ビッグ・ヴィンテージと評される2016年に負けず劣らずの高評価を得ており、愛好家注目の年でもあります。
さっそく2019年のヴィンテージ情報をみていきましょう。
ここでは、トスカーナ州を「キャンティ・クラシコ」、「ボルゲリ」、「ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ」の3つの銘醸エリアに分けてみていきたいと思います。
評価の指標として、有名な評価サイトWINE ADVOCATES(以下、WA)とWINE SPECTATOR(以下、WS)の点数を引用させていただきました。
キャンティ・クラシコ2019|WA:92T WS:95
キャンティ・クラシコ2019は良いヴィンテージの一つです。
春の降雨によって、暑い夏を乗り切るのに十分な水の蓄えができました。育成期前半の気候はやや冷涼で乾燥しており、育成サイクルに若干の遅れがみられましたが、そのペースは大きな問題はありませんでした。
夏場の気温には顕著な猛暑は認めず、大雨にもみまわれることはありませんでした。
収穫期の9月になると昼夜の寒暖差が大きくなる好天の日が続き、ブドウには成熟したポリフェノール、豊かなアロマが備わっています。
2019年のキャンティ・クラシコはWA、WSともに前年の2018年より高い評価を得ています。
その味わいはフレッシュでバランスのとれた、繊細さと熟成に耐えるストラクチャーを有するワインであるとコメントされています。これが熟成を経てどうなるのかはワインの楽しみの一つですね。
最上位のグラン・セレツィオーネに関しては10年程度熟成を経てからが楽しめるワインとなりそうです。通常のキャンティ・クラシコは2024年現在、今からでも十分楽しめるワインとなっていることが予想されます。
ボルゲリ2019|WA:95T WS:96
ボルゲリの2019も良い年になりました。特徴としては寒く雨の降る時期と、暑く乾燥した時期が交互に訪れる、非常に変わりやすい天候です。
冬から春にかけては例年より気温が低く、雨が多かったため、5月中旬までは育成サイクルが例年と比べると10日程度遅くなりました。気温が急激に上昇した 5 月下旬から発育は加速し、例年通りのサイクルに近づきます。
6月に入ると雨が少なく、暖かい日が続き、月末には37℃まで気温は上昇しています。暑い日が続きますが、7月末に降った雨によって気温は平年並みに戻ります。その後の気候は晴天が続き、長い時は45日間雨が降らず、乾燥していました。
収穫が終わるまで天気は安定しており、キャンティ・クラシコ同様に9月には寒暖差のある日が続いたため、ブドウは十分成熟して収穫を迎えることができています。
理想的な条件でのブドウ栽培ができたことから、トップレンジのワインは長期熟成に耐えることができ、若いうちはタンニンが強く、飲みにくさを感じるかもしれません。10年前後熟成してから楽しむのが良さそうです。
もちろんセカンドラベル、サードラベルはより早い段階から楽しめるワインが多いので、5年経過した現在がまさに飲み頃といえるでしょう。
ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ2019|WA:95T WS:98
ブルネッロ・ディ・モンタルチーノの2019は近年でも傑出したヴィンテージの一つです。
寒い冬でしたが、適度な降雨もあり、十分な水分量が確保できました。4月、5月は他の生産地域と同様に気温は低く、雨が多かったことが特徴的です。
6月からは気候が安定しました。夏場の気候は暑く乾燥した日が続きますが、適度に雨も降ったことから、過熟することなく、ブドウはしっかりと成熟することができました。
収穫期の9月には安定した天候が続き、昼夜の寒暖差も大きかったことも相まって、豊かな果実味と風味が備わったブドウとなりました。
豊かな果実味と適切にコントロールされた酸度、タンニンの豊かさがあることから、WSではエレガントさと力強さを兼ね備えた、ピュアで果実味あふれるヴィンテージと評価されています。
トップクラスのワインは、2016 年の最高のワインに匹敵するともいわれています。
まとめ
いかがでしたか?2019年のトスカーナ州におけるヴィンテージチャートをお届けしました。
まとめてみますと、
2019年はそれぞれの生産地域で90点以上の高評価を得ているヴィンテージです。贈り物としてはもちろんのこと、自分の楽しみ用としても確保しておいて間違いないでしょう。
キャンティ・クラシコ、ボルゲリの2019年ヴィンテージは市場でもまだまだ販売されています。ブルネッロ・ディ・モンタルチーノは最新のヴィンテージになっています。手に入れるチャンスは多いので、見かけた際には一度手に取ってみてくださいね。
ここまでご一読いただきありがとうございました。また次回の記事でお目にかかりましょう。
飲兵衛薬剤師
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